大河内山荘庭園の絶景。京都おすすめの美しい庭園の見どころをご紹介!

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大河内山荘庭園は、昭和の名優「大河内傳次郎」(おおこうち・でんじろう)が、京都の「嵐山」に作りあげた回遊式の壮大な借景庭園となります。

小倉山や嵐山から保津峡、さらには比叡山をも背景にした絶景が楽しめます。

※行き方や拝観のご案内は最後にご説明しております。

動画で見る大河内山荘庭園

竹林を抜けると佇む大河内山荘庭園

名刹「天龍寺」そして、「竹林の小径」(こみち)の幻想的な風景を通りぬけた、その先に大河内山荘庭園が見えてまいります。

大河内山荘庭園は京都嵐山の竹林の小径を通り抜けた奥にひっそりと佇む

ちなみに、竹の見ごろの時期は、「紅葉の季節」となっています。

大河内山荘の庭園と茶室は、百人一首で有名な小倉山の南面に位置する場所に作られています。

大河内山荘庭園の入り口の門の画像

大河内山荘庭園は、昭和の映画スター「大河内傳次郎」(おおこうち・でんじろう)が30年の歳月にかけて、コツコツと作り上げた庭園です。

昭和の名優「大河内傳次郎」が30年の歳月をかけて作りあげた庭と茶室

この庭は、門を通りすぎると回遊式の庭園となっています。

順路にそって様々な景色を楽しめるように工夫されております。

入り口の門をくぐると、回遊式の庭園になっている

庭には、「松」、夏には青楓、秋には紅葉が植えられています。

そして春には桜が美しい日本の四季を彩ります。

松や紅葉、青楓。春には桜も庭の景色を彩る

私が、この庭を訪れたのは初秋の10月。紅葉がわずかに赤く色づき始めておりました。

大乗閣

庭園に入って、まず最初に現れるのは、「大乗閤」(だいじょうかく)。

建築を手がけたのは、数寄屋師(すきやし)の「笛吹嘉一郎」氏です。

茶道・表千家の十三代「即中斎宗匠」(そくちゅうさい・そうしょう)の時代(昭和初期)に茶室に深く関わり、正統な茶室や書院造りを多数手がけた数寄屋建築の匠であります。

大乗閣は、小倉山を借景に雄大な景色を見せます。

大乗閣の中からは、徒然草(つれづれぐさ)にゆかりの双ヶ丘(ならびがおか)につらなる古都・京都を一望できます。

さらに、遠くには霊峰比叡山を仰ぎ見ることもできます。

国登録有形文化財「持仏堂」から枯山水

最初に見えてくるのは、「持仏堂」です。

大河内傳次郎が、この地を手に入れて最初に作ったのが「持仏堂」です。

お堂の前には、枯山水の庭が作り込まれています。

一年中青々とする松と白砂の対比が、とても美しい枯山水の庭となっています。

つづいて、京都の鞍馬山(くらまやま)の自然石を用いたと言われる飛び石を静かに踏みしめて進みます。

そこには、見事な苔庭が姿をあらわします。

大河内山荘庭園の苔庭と茶室「滴水庵」

その苔庭を横に眺めつつ歩を進めると、先に見えてくるのが茶室「滴水庵」(てきすいあん)。

この時期(10月)には、青楓に囲まれた茶室「滴水庵」ですが、秋には紅葉のすばらしい景色となることでしょう。

建築を手がけたのは、数寄屋師(すきやし)の「笛吹嘉一郎」氏です。

茶道・表千家の十三代「即中斎宗匠」(そくちゅうさい・そうしょう)の時代(昭和初期)に茶室に深く関わり、正統な茶室造りを多数手がけた数寄屋建築の匠である。

ちなみに、即中斎宗匠は現代茶道の祖と言われる人物です。

昭和初期の苦しい戦中時代を生き抜き、戦後には見事に現代茶道の基礎をきずき上げた功績者となります。

庭園内には、さまざまな石が用いられ、私たち来訪者を導いてくれます。

大乗閣からは保津峡・嵐山を一望

茶室「滴水庵」を登ると保津川の清流が眼下に流れています。

保津川の清流と山の中腹に見える「お堂」を眺めつつ歩みを進めます。

保津峡を眺めつつ歩くと、今度は右手に京都の嵐山を一望できる場所へ

ここからは、朝に夕に七色に変化する嵐山の景色が見ることができるでしょう。

また、遠くには霊峰比叡山を仰ぎ見ることもできます。

さらには、徒然草(つれづれぐさ)にゆかりの双ヶ丘(ならびがおか)につらなる古都・京都を一望できる場所となります。

大乗閣をくだると、そこに赤く実った柿の樹。

日本の古き良き風景を今に残しています。

ここでご紹介した茶室「滴水庵」や「持仏堂」そして、「大乗閣」は、国登録の有形文化財として指定されております。

大河内山荘庭園では、抹茶とお菓子も楽しめる

ひと通り、庭を拝見したあとは、景色をながめつつ休憩する場所もございます。

入場券には、お茶券も付いております。薄茶とお干菓子がセットとなっています。

室内では、竹林を眺めつつ茶を喫することができます。

天気の良い日なら、青楓や紅葉を眺めながら一服することもできます。

鳥のさえずりだけが聞こえてくる静かな空間で心おだやかに、このひとときを過ごせるでしょう。

また、庭園内には、キレイなトイレも設置されています。

大河内山荘庭園は、大河内傳次郎が生涯求めて続けた「禅」の境地を表した庭園となります。

春には咲きほこる桜が、夏にはみずみずしい苔と青楓、そして秋には錦のように美しい紅葉が楽しめるでしょう。

あなたも、ぜひこの庭の趣を味わっていただければ幸いです。

大河内山荘庭園への行き方や駐車場

大河内山荘庭園への行き方

【電車でお越しの方】

・京福電気鉄道

「四条大宮駅」始発

「嵐山駅」から徒歩10分

・阪急電鉄京都線

「桂駅」にて乗り換え

嵐山線「嵐山駅」

より徒歩20分

・JR線

京都駅から

山陰本線「嵯峨嵐山駅」

徒歩15分

【お車でお越しの方】

・大河内山荘庭園には駐車場はございません。

・嵐山近辺の有料駐車場やコインパーキングにお停めください。

※春・秋の行楽シーズンは付近の駐車場は大変混雑いたします。

土・日・祝日はお昼12時以降は、ほぼ満車となります。

お車の場合は、朝9時~10時までにお越しいただくか、電車で嵐山のひとつ手前の駅近辺の駐車場に停めてお越しいただくのをオススメいたします。

・電話:075-872-2233

・住所:〒616-8394 京都府京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町8

大河内山荘庭園への地図

以下の地図の「その他のオプション」から交通手段を選んでご確認ください。

大河内山荘庭園の周辺地図

大河内山荘庭園の入場料・入園時間・滞在時間

・入園時間:午前9時~午後5時

・定休日:年中無休

・拝観料:大人1000円 小中学生500円 ※抹茶とお菓子付き

・所要時間:ひと通り拝見するのに約1時間かかります。

大河内山荘庭園への行き方は、以下の京都観光オフィシャルサイトも参照してください。

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この記事を書いた人

橋本城岳(じょうがく)

創業80年 京焼清水焼の窯元
三代目「橋本城岳」(じょうがく)
茶道具の作品を造る

「京都はしもと製陶所」では
暮らしの"うつわ"を製作

令和4年 経済産業大臣指定工芸品
京焼清水焼「伝統工芸士」に認定