立夏(りっか)は、二十四節気(にじゅうしせっき)の1つ。
夏の始まりを意味する節気です。立夏は、例年5月5日ごろになります。
昼と夜の長さが同じ日であるのが、「春分の日」。そして、1年で最も日の長い日である「夏至」(げし)
春分と夏至のちょうど中間となるのが「立夏」となります。
立夏の七十二候
そして、立夏の「七十二候」(ななじゅうにこう)は、以下のようになります。
【初候】 5月5日頃~5月9日頃。
蛙始めて鳴く
(かわず・はじめてなく)
【次候】 5月10日頃~5月14日頃
蚯蚓出ずる
(みみずいずる)
【末候】 5月15日頃~5月20日頃
竹笋生ず
(たけのこしょうず)
立夏は、田んぼから蛙の鳴き声が聞こえ始め、土からミミズがはいだしてきます。
そして、竹林のあちこちからタケノコが頭をだしてくる。
立夏は、夏の気配が近づいてくる。そんな季節となります。
端午の節句で子孫繁栄
立夏の頃、5月5日は、「端午の節句」(たんごのせっく)です。男の子の健康と成長を祈る日でした。
今では、「子供の日」になっています。
この日は、昔と同じく「鯉のぼり」を飾り、菖蒲湯につかって柏餅を食べます。
柏の葉は新芽が育つまでは葉が落ちないので、家系が絶えません。つまり子孫繁栄を意味する縁起物になりました。
母の日にカーネーション
毎年の5月の第2日曜日は母の日となります。
贈る花にはカーネーションが選ばれます。
毎年この時期になるとお花屋さんではカーネーションをよく見かけますね。
葵祭:平安装束で練り歩く
5月15日には京都で「葵祭」(あおいまつり)が行われます。
今から1500年前の6世紀から行われている「京都三大祭」の1つでもあります。
葵祭 京都新聞 より引用
葵祭は、そもそも今から約1500年前に始まったとされる
- 「賀茂御祖神社」(かもみおやじんじゃ=下鴨神社)
- 「賀茂別雷神社」(かもわけ・いかづちじんじゃ=上賀茂神社)
この二つの神社の祭りとなります。
平安装束をまとった人々が練り歩く「路頭の儀」(ろとうのぎ)が開催されます。
葵とは、「路頭の儀」の行列の御所車(ごしょぐるま)、勅使(ちょくし)、供奉人(くぶにん)の衣冠などに飾られた緑の葉のことです。
これは「葵桂」(あおいかつら、または、きっけい)と呼ばれます。
以下の画像は、この葵桂の葉の写真です。
葵桂 京都新聞 より引用
葵の紋は、桂の小枝に、下鴨神社と上賀茂神社の神紋である「二葉葵」の葉をあしらった紋となります。
葵祭は、もともとは「賀茂祭」と呼ばれていました。
しかし、江戸時代に祭が再興されてから葵の葉を飾るようになり、「葵祭」と呼ばれるようになりました。
新茶が美味しい季節
立春から数えて88日後を「八十八夜」と言います。
立春は、例年2月4日ごろとなり、「節分」の翌日となっています。
ちょうどこのころ新茶が摘まれます。1年で最もお茶のおいしい時期ですね。
また、八十八夜に摘まれた新茶を飲むと、「長寿」になると言われています。
立夏の「季節の花」
ここでは、立夏の季節の花をご紹介します。
あやめ
「あやめ」が咲くのは4月下旬~5月下旬ごろ。
野山に咲きます。
「アヤメ」は、ショウブと同じく「菖蒲」という漢字表記となっていますが、全く別の植物です。
「アヤメ」は、野山に咲くことが多くなります。
しかし、他のアヤメの種類の「花菖蒲」(ハナショウブ)や「杜若」(カキツバタ)は、湿地に生えるのが違いです。
いずれアヤメかカキツバタ・・・・・・
そういわれるほど、見分けがつかずに美しい花となります。
芍薬
芍薬(シャクヤク)は、その美しさ、華やかさから古い時代から栽培されている花です。
立夏の頃に見ごろを迎えます。
芍薬は美しい女性の代名詞でも有名ですね。
ハハコグサ
春の七草のひとつ、ハハコグサは4~6月に咲きます。
七草がゆで食される「ゴギョウ」(オギョウ)ともいわれる春の七草の一つです。
昔は、葉を餅(もち)などに入れて食べましたが、今ではヨモギ餅に変わりました。
そもそも、「春の七草」は、平安時代に「四辻の左大臣」が、山上憶良の「秋の七草」に対して、
芹(せり)、薺(なづな)、御形(おぎょう)、繁縷(はこべら)仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ) これぞ七草・・・・・・
と、詠んだことから始まります。