清明は清らかで明るい季節
4月4日頃~19日頃は、二十四節気で「清明」(せいめい)です。
「すべてのものが清らかで明るい季節」を意味します。
中国の明(みん)の時代の本「歳時百問」(さいじひゃくもん)に以下のようなことが書かれております。
「万物生長此時、皆清浄明潔」
万物が成長していくこの時、みな清らかで明るくきれいである。
このことから、「清明」と名付けられたということです。
玄鳥到る
「七十二候」(ななじゅうにこう)では、二十四節気をさらに3つに季節をわけています。
七十二候では、二十四節気をさらに3つに分けます。
清明の最初の4月4日ごろから4月8日は、「玄鳥到る」(つばめ きたる)となります。
この燕は「玄鳥(げんちょう)」、「乙鳥(つばくら)」、「天女(つばくらめ)」など色々な呼び方があります。
鴻雁北へかえる
清明の2番目の次候は、「鴻雁北へかえる」(こうがん きたへ かえる)。
4月9日ごろから4月13日ごろです。
虹始めて見る
二十四節気の清明の3つ目である三候は、「虹始めて見る」(にじ はじめて あらわる)。
4月14日ごろから4月19ごろとなります。
春が深くなるとともに、だんだんと空気が潤ってきます。
雨上がりに虹を見ることも多くなるでしょう。
春は陽の光はまだ弱いです。そのため、夏の虹に比べると淡くはかない虹です。それもまた、趣(おもむき)があり良いものですね。
「燕が南からやってきて、渡り鳥の雁(かり)は北へ帰り、雨が上がると春の空に虹がかかる」
清明とは、そのような季節なのです。
三候の時期には、関東から東北では清明の頃がお花見日和になります。
各地の桜の名所はお花見客でにぎわいます。
清明の「旬の食べ物」
清見(みかん)が旬
清見(きよみ)は、みかんとオレンジの中間のような特徴を持っています。
酸っぱさの少ない柑橘類です。
3~4月に採れ、清明の頃が最も旬となります。
清見は、「清見オレンジ」ともよばれます。
静岡県静岡市の清見区の果樹試験場で交配し作られました。果肉はジューシーで、種が少なく柔らかくおいしいのです。
みかんの味にオレンジの香りを楽しめる果物となっています。
この「清見」をもとに、デコポンなどの柑橘類も生まれました。
清明の「季節の花」
ソメイヨシノ
3月下旬から咲き始めたソメイヨシノが、清明の頃には満開になります。
八重桜
八重桜(やえざくら)は、ソメイヨシノよりもやや遅く咲きます。
4月上旬~4月下旬ごろが見ごろとなっています。
タンポポ
タンポポは種類にもよりますが、日本の在来種は3~5月に咲きます。
たんぽぽの別名を「鼓草」(つづみぐさ)といいます。
花のガクの部分が、楽器の太鼓(たいこ)似ているからです。
鼓は、叩くと「タン ポンポン」と鳴ることから、「たんぽぽ」という花の名前になったそうです。