日日是好日のエッセイ本を読んでの感想とあらすじを京都の陶芸家が紹介

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あの人はタダモノじゃないわよ。あんなキレイなおじぎを見たことない。

おじぎをする女性の画像

「茶人 武田のおばさん」に茶道を習うことになった主人公の典子。はじめは、お茶をただの行儀作法だと思っていた。

できることなど一つもなかった。

ついさっきやったばかりのことなのに、何一つ残ってなかった。いつになったら流れるようなお手前ができるのだろう。

突然、手が動いた。考えていないのに勝手に動いた。水指からお釜へ柄杓が見えないレールに乗っているかのように。

茶釜と柄杓の画像

ある日突然、雨が生ぬるく匂いはじめた。

夕立がくると思った。それまで、雨は「空から落ちてくる水」でしかなく、匂いなどなかった。

夕立の画像

わからなかったことが、ひとつ、またひとつ、自然にわかるようになった。

茶道では、心の気づきの楽しさを奪わないために、あえて教えない。何も教えない。

茶道のお稽古の画像

お茶の「作法」は、厳格であり、自由などない。ところが「作法」のほかは、何の決まりもない。

学校も茶道も目指しているのは人の成長。

しかし、個性を重んじる学校教育のなかに、人を競争に追い立てる不自由がある。

受験会場の画像

きびしい決まりごとに縛られた茶道のなかに、個人のあるがままを受け入れる大きな自由がある。

決まりごとの厳しい茶道の画像

学校は、いつも他人と比べる。お茶は「きのうまでの自分」と比べる。

私は、この本を読んで、感動し、また茶道のお稽古を再開しました。それくらいオススメの一冊です。

この記事を書いている「京都はしもと製陶所」では、「橋本城岳」(はしもと・じょうがく)のブランドで抹茶碗を作っております。

当工房から直接、お客様にお届けしています。そのため、高品質な茶碗が半額ていどでご購入いただけます。

よろしければ、「京都はしもと製陶所」の商品ページを、ぜひご覧になってください。

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この記事を書いた人

橋本城岳(じょうがく)

創業80年 京焼清水焼の窯元
三代目「橋本城岳」(じょうがく)
茶道具をメインに暮らしのうつわを作る。

令和4年 経済産業大臣指定工芸品
京焼清水焼「伝統工芸士」に認定

妻の内藤加奈子(作家名)も陶芸家。
京都の伏見稲荷の陶芸と和雑貨のお店「ギャラリーKACCO」(カッコ)を営む。