陶芸の和絵の具と洋絵具の顔料のちがいをプロの陶芸家が解説 

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京焼・清水焼の茶碗の上絵付けされた”うつわ”や茶道具には、美しい絵柄のものがたくさんありますよね。

じつは、清水焼の上絵の絵の付け方には、さまざまな種類がございます。

絵の種類によって、価格や絵の良し悪しも変わります。

このページでは、それぞれの特徴やちがいを解説いたします。

私は、京都・清水焼の職人として20年以上の”うつわ”や茶道具を作り続けております。

職人目線で、一般の方にもわかりやすく解説いたします。

清水焼の茶碗や食器をお買いもとめのときには、おまちがえのないように ご注意ください。

1.「洋絵の具」で「プリント」は、安価で絵が均一

まずは、「洋絵の具」(ようえのぐ)と「プリント印刷」の絵の特長をご紹介します。

つぎの写真は、「洋絵の具」(ようえのぐ)で「プリント」の絵の茶碗です。

洋絵の具で描かれた絵の画像
「洋絵の具のプリント」は、色が不透明で厚みがない。色が均一で価格も安い。


楽天市場 茶碗仁清青楓 芳香園 

より引用

それでは以下に、「洋絵の具」で「プリント」の茶碗の特長や長所と短所をあげてみました。

洋絵の具とプリントの特長

1.価格が安い

2.色にムラが少なく、同じ仕上がりになる

3.色が不透明である

4.絵の具の厚みや、立体感がない

つまり、「洋絵の具」で「プリント」の場合は、価格が安くお買い得ですが、絵に面白さや味がなくなります。

2.「和絵の具」「手がき」は、高価だか絵に面白み

つぎに、「職人の手描き」で「和絵の具」(わえのぐ)についてご説明いたします。

つぎの写真は、私の工房で「和絵の具」を使って、職人が絵付けしたものです。

和絵の具の色あいの画像
「和絵の具」で」職人の手描き」は、色に透明感と厚みがある。絵のムラはあるが、それが面白みとなる。

「和絵の具」で「職人の手描き」の特長・短所・そして長所は以下のようになります。

和絵の具と手描きの特長

1.値段が高くなる

2.同じ商品でも、ちがいがある面白さ

3.色に透明感がある

4.絵の具に厚みがあり、立体感がでる

つまり、「和絵の具」で「手描き」の場合は、価格は高くなりますが、絵の立体感やムラが茶碗の絵に面白さや味をだすのです。

まとめ

「洋絵の具」で「プリント」、そして 「和絵の具」で「職人の手描き」 についてまとめます。

  • 「洋絵の具でプリント」は、安価で絵が均一
  • 「和絵の具で手がき」は、高価だが絵にムラと面白みがある

以上のどちらにも、メリットとデメリットはございます。

ですので、あなたが抹茶碗や食器をご購入のさいには、予算に応じて決められるのがよいと思います。

抹茶碗の選び方についてのくわしい解説は、以下の関連記事を参照してください。

この記事では、お買いもので、失敗しないための「抹茶碗の選び方」をプロの陶芸家の目で解説しています。

このページを読んでいただくと、使いやすく、そしてお客さまにも喜ばれる「抹茶碗の選び方」がわかるようになります。

この記事を書いている「京都はしもと製陶所」では、「橋本城岳」(はしもと・じょうがく)のブランドで職人手づくりの清水焼の茶道具や食器を作っております。

当工房から直接、お客様にお届けしています。そのため、職人手づくりの清水焼が「高品質でも低価格」でご購入いただけます。

よろしければ、「京都はしもと製陶所」の商品ページを、ぜひご覧になってください。

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この記事を書いた人

橋本城岳(じょうがく)

創業80年 京焼清水焼の窯元
三代目「橋本城岳」(じょうがく)
茶道具の作品を造る

「京都はしもと製陶所」では
暮らしの"うつわ"を製作

令和4年 経済産業大臣指定工芸品
京焼清水焼「伝統工芸士」に認定