風炉の意味とは?いつまで使う?時期や季節を京都の陶芸家が解説!

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風炉(ふろ)とは、茶道で夏に使われる炉(ろ)のことです。この炉をもちいてお茶を点てるための湯を沸かします。

しかし、私も茶道をはじめる前は、「風炉って何?」と聞いたこともありませんでした。

じつは、茶道では夏の風炉をもちいます。季節によって、炉を使いわけることで、お客さまが楽しく茶会を過ごせるような心くばりをします。

このページでは、清水焼の職人である私が、風炉について解説いたします。また、あわせて茶道のおもてなしの心についてもご紹介いたします。

風炉とは5月から10月に使われる夏の炉

風炉とは茶の湯をわかすために炭を入れて火を入れる炉のことです。夏に使われる炉となります。

風炉がもちいられる時期は、5月~10月までとなります。毎年、5月5日頃の立夏(りっか)から、11月8日あたりの立冬(りっとう)の季節まで使われます。

つまり、夏のはじめから秋の暑い季節にもちいられる炉ということです。

次の写真は、風炉の一例です。

風炉の画像
風炉は持ち運びのできる炉。夏にもちいる。

炉の中には、灰と炭がしこんであります。炉には、金物でできたものや、陶器でつくられたものがあります。

また、風炉は持ち運びができる、いわばポータブルな湯わかし器といえます。夏に使われる理由は、熱い炭の火を、お客さまからできまだけ遠くに離れた場所に移動できるからです。

これにによって、暑い夏に炉をお客さまから離れたところに置くことができるのです。

それが、お客さまにとって少しでも涼しくなるような「心くばり」となります。

さらに、風炉の炭のそばには、「香木」(こうぼく・お香のこと)を置き、よい香りで部屋をみたすのです。

このように、茶道では、お客さまに対して、さまざまな方法で「心くばり」をします。それはささやかな工夫ではあります。

この「心くばり」について、茶道の完成者である千利休は、次のように語りました。

「夏はいかにも涼きように、冬はいかにも暖かなるように」

そして千利休は、この言葉をもって「茶道の極意」とされたのです。

豪華な接待もよいですが、このような細やかな配慮が本当の「おもてなし」と言えるのではないでしょうか?

まとめ

  • 風炉は、茶の点てるための湯をわかすための炉
  • 風炉が使われる時期は、5月~10月の暑い季節
  • 風炉は、持ち運びできる炉。客から離して置くことで暑さをやわらげる
  • 風炉のそばには、香木を置き、部屋をよい香りでみたす

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この記事を書いた人

橋本城岳(じょうがく)

創業80年 京焼清水焼の窯元
三代目「橋本城岳」(じょうがく)
茶道具をメインに暮らしのうつわを作る。

令和4年 経済産業大臣指定工芸品
京焼清水焼「伝統工芸士」に認定

妻の内藤加奈子(作家名)も陶芸家。
京都の伏見稲荷の陶芸と和雑貨のお店「ギャラリーKACCO」(カッコ)を営む。